約束された明日がない時代をどう生きるか?
「老後のために最低でも2000万円から3000万円は溜めましょう!」という、最近よくありがちなファイナンシャル・プランナーやアドバイザーのセリフ。それを聞いて、「まったく現実味がない数字」、「そんな蓄え、無理!」と思う人も多いはず。長引くコロナ禍で、経済的に難しい状況が続く人たちも増えています。Go Women Go世代の女性たちの多くも、何らかの経済的な不安を抱えているのではないでしょうか。
でも裏を返せば、2020年という1年は、私たちに「約束された明日などない」、「何事も起こらず、平穏無事でい続けることが出来ない時もある」ということに気づかされる、きっかけとなりました。この気づきをもとに、人生を設計しなおす——。これは誰にとっても大切なことです。私たちが生きる、このちょっと不安定な時代をどう生きるべきか、一緒に考えていきましょう。
アラフィフ+に共通する不安とは?
アラフィフ前後の女性は共通して持っている不安があります。それは、ズバリ「漠然とした不安」。不安や心配を口にする人はたくさんいますが、自分が抱えている不安の原因が何なのかは、あまり分かっていない人が多いのです。将来が不安だということは分かっても、具体的に何に不安を感じているのかは整理できていない……。あなたには、そんなことはありませんか?
不安の原因の根幹にあるものが何か分からなければ、それを解決する術は見えてきません。ですから、私たちはまず自分の不安をしっかり分析し、何について最も不安を感じているのかを明確にする必要があります。
たとえば、ある人にとっては、お金を得るための手段として職業やキャリアについての不安が、最も大きいかもしれません。「私はいつまで、この会社に雇ってもらえるのだろう?」とか、「転職して人生を変えたいとも思うけれど、この年齢的でも雇ってくれる会社はあるだろうか?」など、年齢とともに下がっていく正規雇用率を考えれば、そこに不安を感じるのは当然でしょう。
また、パートナーがいない人であれば、「生涯、自分ひとりで大丈夫だろうか?」という不安があるかもしれませんし、家族がいる人でも「夫の年金だけでは老後が不安」と感じている人もいるかもしれません。
人によって、不安はそれぞれです。一度、しっかりと自分と向き合って、漠然とした不安に振り回されないように、自己分析をしてみることをお勧めします。
年金だけでは生きていけないとは言うけれど
不安に感じることは人それぞれでしょうが、多くの人の不安の根底には、やはり「お金」の問題があると思います。特に「年金だけでは食べていけないだろう」と言われて久しい現代社会において、老後資金は誰にとっても大きな問題です。
だからこそ、ここはちょっと冷静に。「年金がいくらもらえるか分からない」と不安になる前に、まずは自分が需給可能な年金額を調べてみましょう。
みなさんは『ねんきんネット』というホームページをご存知ですか? このサイトでは、みなさんが年金をいくらもらえるかチェックできるんです。社会状況によって年金の支払額は多少前後することはあるようですが、このサイトでは「見込み額」を調べることができます。
「年金だけでは生きていけない」とか、「年金がいくらもらえるか分からない」と心配する前に、自分が受け取る見込み額がいくらなのかを調べておけば、その額を基準にして今後の予定を立てることができます。いつまでを目標に、いくらくらい資産を増やさねばいけないか、どんなライフスタイルをしていけば不安なく暮らして行けるか等、具体的な案が立てやすくなるはずです。
読者のみなさんの中には、海外在住で「どうせ日本の年金はもらえない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、在住する国によっては日本の年金も合算して在住国で支払ってもらえる場合もあるので、一度、調べてみてください。行く末不透明という時代ですが、まずは自分が今「出来ること」や「予測できる数字」などについて、しっかり目を向けてみましょう。