Contents
Workaway(ワークアウェイ)を使って世界を旅する
こんにちは!家族4人で世界一周旅を続けているMimiです。現在はコロンビアのボゴタから約100 km北に位置するSuescaという小さな町に滞在しています。酪農ファームを営むご夫婦のもとで、ボランティアワークをし始めて約1ヶ月が過ぎました。今回は、今までの旅を振り返りながら、私たちが使っているWorkaway(ワークアウェイ)というコミュニティー・サイトについてお話しします。
Workawayとは、2002年にイギリス人バックパッカーにより創設された、旅人が、ボランティアとして平均週5日、1日4〜5時間の労働力を提供する代わりにホストファミリーが宿泊場所と食事を提供するという「ボランティアとホストを繋げるコミュニティーサイト」です。2021年5月現在、登録している国は170カ国以上、ホスト数は約5万件。年々登録件数は増えています。
現地の暮らしを感じる旅
私たちは2019年6月に日本を発ち、カナダ、アラスカ、アメリカ本土、メキシコ、グアテマラ、コロンビアとキャンピングカーで移動しながら、Workawayの制度を使って世界各地で暮らすように旅をしてきました。その間には、コロナウィルスの影響を受けて、グアテマラで半年間ロックダウン生活をしたこともありましたが、夫婦共に観光地巡りより、現地の暮らしや文化、食に興味があり、それを肌で感じられるWorkawayは、私たちにとって理想的な制度。貴重な出会いとプライレスな経験の宝庫です。
これまでに6回のWorkawayを経験し、どの経験も思い出深いのですが、今回はそのうち2箇所で経験したことをご紹介したいと思います。
カナダ・バンクーバー島でのWorkaway
海外で初めてWorkawayをしたのが、カナダ・バンクーバー島。築100年の古民家に住むホストファミリーに2019年6月から2カ月間お世話になりました。
5年ほど前に25エーカーの広大な土地と古民家を購入し、移り住んだこの一家。なんと子どもが4人+お手伝いさんもいる大家族。広大な土地には、母屋以外にもオーガニック・ガーデン、子どもの遊び場、ファイヤープレイス、納屋があり、動物も多数飼っていて、大自然に囲まれた素敵な空間が広がっていました。子どもたちに「どこから食べ物がきているか?」を伝えたい、もっとシンプルな暮らしがしたいと思い、この地に移り住んだそう。
ここでのタスクは、薪割り、薪積み、約120本ある木の水やり、鶏小屋掃除、卵や野菜の収穫など。青空の下、広大な自然の中で身体を動かせるのは、すごく気持ち良かったです。毎朝いただく産みたて卵の美味しさといったら、本当に格別でした。
他にも干し草収穫という農家の伝統的な作業をお手伝いしたり、人生初体験となった鶏絞めも経験させていただきました。息子たちは怖がるかと思いきや、真剣な眼差しで一部始終を見ていたのが印象的で、感謝していただくことや食べ物を残さず食べることの大切さを学ばせていただきました。そして、何より捨てられる命ほど悲しいことはないと感じました。改めて「いただきます」の意味を考えさせられる貴重な時間でした。
大きなテーブルを囲んでいただく夕食やBBQパーティー、休みの日にはみんなで川や湖に出かけたことも良い思い出。息子たちも大自然の中思いきり遊び、言葉がうまく話せないながらも、遊びを通してホストの子どもたちと交流できました。
バンクーバー島で過ごした日々は、旅ではなく、まさに現地の暮らしそのもの。ローカルの生活にディープに関われたことで、得られた学びが数え切れないほどありました。会いに行きたい家族や特別な場所が増えたことも、我が家にとって素晴らしい財産となりました。
メキシコのトゥルムでのWorkaway
4度目のWorkawayで訪れたのは、メキシコのトゥルム。ジャングルの中にあるエコビレッジに2020年10月から2カ月間滞在しました。ホストは、イスラエル人のご主人、チェコ人の奥さん、3歳の男の子のご家族。ご主人は、ホースキャラバンと言う馬で移動しながら、テント泊で世界各地を旅するヒッピーコミュニティーを18年間も率いていた経歴の持ち主。馬で旅するって異次元な世界!? しかも16歳からずっと旅をしていて、英語、スペイン語、ヘブライ語(母語)が堪能。ロシア人、アメリカ人の計3人が共同創設者となり、約3年前にセノーテ付きの土地を借りてエコビレッジの建設を始めたそう。
エコビレッジの中心には大きなセノーテがあり、セノーテを囲むように住人の住居、ゲスト用テント、共同キッチンなどがあります。いつでもセノーテで泳ぐことができ、まさに天然のオアシス!
絶えず世界各国からボランティアやゲストが訪れ、出会った国籍は約20カ国。多才な経歴のヒッピーやナチュラリストが集い、老若男女関係なくセノーテに裸で入ったり、ジャングルを裸足で歩いている場面に衝撃を受けました。
夫は、テント修繕をはじめガテン系ワーク全般が与えられたタスク。一緒に作業をしていた57歳のマヤ系ワーカーの強靭な体力に驚かされたそう。私のここでのタスクは、1日1回の食事作りと片付け。エコビレッジでの食事は、ベジタリアン。肉、魚、牛乳は使えません(卵はOK)。週2〜3回、野菜や果物が届くので、その日にある食材でメニューを考え作ります。常に人の出入りがあったため、日によっては最高で27人分の食事を作ることもありました。
エコビレッジでは、スキルの交換が自然と行われていて、アルゼンチン人の女性がヘナタトゥーをしてくれたり、別の日には、アメリカ人女性がヨガやザワークラフトを教えてくれたり、ドリームキャッチャーを作ってみたりと有意義な時間を過ごさせてもらいました。
出会った人たちから教えてもらった「生きるヒント」
私はどうしても周りの目を気にしてしまう性格ですが、自分の軸をしっかり持っている人がビレッジには多くいました。
みんな違って当たり前。
みんな違ってみんないい。
常識や価値観に囚われず、人生を豊かに自由に、そして自分らしく生きるヒントを出会った人から教わった気がします。
年齢、人種、言葉、肌の色、髪の色、価値観……。すべてが違う個性豊かな人たちと過ごした時間、焚き火を囲みながら音楽を楽しんだ時間は、濃厚で強烈な記憶。毎日のようにセノーテで泳いだ日々は一生忘れることはない最高のひとときでした。セノーテで泳ぎを覚えた息子たち。我が子ながら羨ましいかぎり(笑) 。
多国籍な環境で過ごした経験、雨季のジャングルで感じた自然の厳しさは、今も旅の支えとなっていて、大抵のことは乗り越えられる自信がつきました。コロナ禍で充実した時間を過ごせたことは有難く、受け入れてくれたホストファミリー・ビレッジで出会った方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
私たちの旅は、まだまだ続きます。次回もお楽しみに!