春の訪れと桜の花
河津桜の花がほころび始め、少しずつ春が近づいてきました。この陽気に誘われて、お寺の庭も賑わっている頃でしょうか。信者さん手作りの木のテラスでお茶を飲んだり、ごはんを食べたり……。春の青空の下の庭で、まるで遠足のような気分を味わったものです。
子どもの頃、母が私のために作ってくれたお弁当は、決まって味付け海苔の俵型おにぎりでした。今でも俵型のおにぎりを見ると胸がきゅんとします。外で食べるおにぎりは、どうしてあんなにワクワクするのでしょう。塀も垣根もなくて、風を感じられるからでしょうか。
今は、皆でお花見しながらワイワイというのは難しい時ですが、静かに花を眺めていると、ふと花びらが寄ってきて思いがけない喜びをくれたり、幸せな気分にしてくれることがあります。今をどれだけ大事にできるか、幸せはそんなところに見つけられるのかもしれません。
「お花見」の巻
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