2021年は、精進料理の知恵を学ぶ
年齢を重ねた分だけ賢く美しく生きている女性たち、素敵ですよね。そういう女性たちは、日々をとても大切に生きているように見えます。たとえば不要なものを持たず、すでに持っているものを慈しみ、大切に使うような生き方は、今の時代の流れにも合っていると思います。
そんなふうに無駄をそぎ落として、慎ましく生活したい。でも、節約を意識しすぎてギスギスしたり、みすぼらしい感じになるのは避けたいですよね? そのバランスは上手く取りたいなと考えている方にお勧めなのが、日本に古来から根付いている「お寺」の文化。そこから得られる生活のヒントがたくさんあるのです。
特に奥深いのが、お寺には欠かせない「精進料理」の知恵。精進料理の醍醐味は、「素材をひとつもムダにせず、すべてを大切に使わせていただく」という気持ちで調理することにあると言われますが、この考え方をお手本にすると、今までは捨てていたものを「料亭の味」に変化させることが出来るんです。
くず野菜で「雲片(うんぺん)」を作ろう!
精進料理の初心者でも簡単に作れる料理もあります。そのひとつが「雲片(うんぺん)」。これは、料理をした後に残る野菜の皮やヘタ、中途半端に余ってしまった野菜の切れ端など、いわゆる「くず野菜」を使って調理するもの。野菜の切れ端を無駄なく使うことで、自然が私たちに与えてくれるすべての恵みに感謝しながら頂くことができる、とても素敵な一皿です。
「雲のかけら」という料理の名称も素敵な響き。雲という文字を使う理由は、野菜の欠片たちを雲で包むかのように餡かけにするからなんですって。しかも腹持ちがよいので、ダイエット中の方にもおすすめです。
それではさっそく、作り方を紹介しましょう。
材料(二人分)
残り野菜・野菜の皮など(カップ2目安)
水(カップ1)
だし(大さじ1:液状のものを使用)
みりん(少々)
しょうゆ(大さじ1)
酒(少々)
くず粉、または片栗粉(小さじ1を少量の水で溶いたもの)
サラダ油(少々)
作り方
1:野菜は細めに切って、火が通りやすいように下ごしらえします。
2:フライパンにオイルを入れ、1の野菜をしんなりするまで炒めます。
3:しんなりしたところに、水1カップを加え、1〜2分ほど煮ます。
4:だし、みりん、しょうゆ、酒を加えて、さらに2分ほど煮込みます。
5:くず粉(ない場合は片栗粉)をさっと加えてとろみをつければ出来上がり。
こうした粗食を大切に日々していくと、心が洗われるような気持ちになれるから不思議です。今年はグルメの追求は特別な日だけにするなどオンとオフを分け、普段の食生活には精進料理の考え方を取り入れた粗食を心掛けてみてはいかがでしょう?