
【国際結婚・海外移住の質問に答えます!】
人生の選択肢を海外へ広げたいGo Women Go読者の皆さんからの様々なご質問に、国際結婚歴16年のジョーンズ千穂さんがアメリカから答えます。
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読者からの質問:アメリカにも「お返し文化」はありますか?
日本にはお歳暮やお中元を贈ったり、旅のお土産や手土産を渡したり、結婚や出産祝いを頂いたらお返しをする習慣がありますが、アメリカにもそういうのはありますか? あるとしたら、いつどんなものを渡すのでしょうか? 渡したらダメなものなども教えてください。
「これは何のため?」と思われることも
こんにちは。日本は「お返し」や「お土産」が大事ですよね。私も近々家族に会いに日本へ行くのですが、大きなスーツケース1つに加えて、もう1つのスーツケースの半分がお土産で埋まりそうな勢いです。
アメリカには基本的に周囲にお土産を渡す文化はありませんが(移民は出身国の習慣による)、あるとすれば「お土産話」です。友人やご近所さんと集まると「どこどこのリゾートは良かった」「〇〇ではこんなことが体験できる」などと旅の話がよく出るので、そういうのは参考にさせてもらっています。
日本のお歳暮やお中元に似たようなものだと、12月に入ると見られるクリスマス・プレゼントぐらいでしょうか。基本、他人に物をあげる機会が少ない文化だと思います。
それでいえば、私がまだ新婚で渡米ホヤホヤの頃、ビックリしたことがありました。旦那(アメリカ人)の上司がとても彼に目をかけて可愛がってくれていて、私まで会社のパーティーや集まりにもいつも呼んでくれていたので、いつか何かお礼がしたいと思っていたんですよね。それで旦那に「日本にはお中元っていう文化がある」と説明して「お中元のように上司にプレゼントを渡さない?」と提案したところ、却下されたんです。そういう文化はアメリカにはないから、上司の誕生日でもないのに何かを渡したら「これは何のため?」と困惑するだろうし、weird(奇妙)だと思われる、と言われたんです。そう言われて「なるほど」と勉強になりましたが、これは職場の環境や職種によるのかも知れないので、ご参考までに。
サンキューレターの威力
会社のクリスマス・パーティーでも社員やその家族(アメリカの会社はパーティーに家族も招く場合が多い)はたいていの場合、プレゼントを頂く側(参加費はあるかも知れませんが)。そして頂いたら、満面の笑みで”Thank you! “とお礼を言うだけでOKです。ちなみに笑顔は大事です。
でも笑顔だけではちょっと……というなら、「Thank You Letter(お礼の手紙)」の登場です。クリスマス・プレゼントや誕生日プレゼントをいただいた方に後日お礼の手紙やカードを送ったり、手渡します。品物ではなくカードを贈ったり、カードを返したりすることは多いので、たいていどこのスーパーマーケットやドラッグストアでもカード売り場が充実しています。
サンキューレター(カード)を送ったりもらったりするのは、今ではかなり古風に感じる人もいるかも知れませんが、たとえば子どもからそれをもらうと「親のしつけがしっかりしてるのね」という印象を受けますし(親に言われて書かされているやんちゃな子どもたちの姿を想像できるのでクスッとなりますが)、礼儀正しさを表現できる手段のひとつでもあります。
欲しい物しかいりません! 効率的な「ウィッシュリスト」
アメリカならではかもということだと、子どもが通う学校の先生に新学期や学年末、クリスマスやバレンタインデーなどに、日頃の感謝を込めてちょっとしたプレゼントを渡すことでしょうか(それをやらない学校もあるでしょうが)。先生が「ウィッシュリスト(Wishlist)」という「欲しいものリスト」を用意する学校もあるそうなので、相手が欲しい物をピンポイントに渡せるのは効率的ですよね。
この「ウィッシュリスト」が登場する場面は結婚祝いなどいくつかあるので、詳細は以前のコラムで触れたので、気になる方はコチラを読んでみてください。
ホームパーティーに呼ばれたら
アメリカだとホームパーティーの機会が多いですが、そんなときは何を持っていけばいいのでしょうか?
ホームパーティーの場合は、まず何時に開催されるものか、何を目的にしているものかによって変わります。たとえば「夕方にワイン会をやります。軽いおつまみは用意します」とか「旦那特製のBBQ大会」とか「〇〇料理をケータリングして〇〇の誕生会をやります」など、通常はホストが「何の会で、何を用意しているのか」を教えてくれます。なので、その趣旨に合ったものを持って行きます。場合によっては「1人1品」「飲み物だけは持ってきてください」はたまた「あなたはサラダをお願いします」などと指定されることもあります。
そういう指定がないとき、私はだいたいワイン。もしくは私が住んでいるのがバーボンウイスキーで有名なケンタッキー州なので、お気に入りのバーボンを持っていきます。
パーティーだと食事はホストが用意することが多いですが、「ポットラック」(持ち寄り)の会の場合は、ホストに「何かリクエストある?」と聞くのが一番。何か日本食をお願いと言われても、わざわざ高い日本食材を駆使して作った料理を持っていく必要はありません。それが好まれなかった時のショックが大きいので、アメリカ人が好きそうなものに寄せた方が無難です。
私はこれまで張り切りって作って数々の失敗を経験しました。たとえばベジタリアンだと知らずにちらし寿司を作ってしまったり(ベジタリアンは魚も食べない)、超ヘルシー志向の美女たちの集まりに日本のから揚げを持参して引かれてしまったり……など、私のトホホ事件はいくつかございます。私のように失敗したくなければ、少なくともその集まりのホストがアレルギーや苦手なものがあるかを聞いておきましょう。
そして、もう一つ注意すべきこと。それは日本のレシピで作ったスイーツです。相当美味しいと自信作でもアメリカ人たちに「お砂糖入れた?」と聞かれるので要注意です。
最後にパーティーの裏話。パーティのホストが料理を出さないと陰口を叩かれます、笑。「(食事ではなく) ワイン会なので、軽いおつまみを用意します」など、何があるのかを先に伝えておくのが招待するときのルールです。空腹で腹がたち「Hangry」になるのは世界共通。自分がホストになる際には気をつけましょうね!

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